fc2ブログ

構造屋のひとりごと

建築構造設計を仕事にする僕が、日々考えたことを書き綴っています。

退職

6月が終わろうとしています。

そろそろ入社して3か月が経とうとしていますが、今週いっぱいで同期のひとりが退職することになりました。

本当に突然で、驚きました。

もともと同期が4人しかいなかったので(構造設計事務所にしては多いですが)非常に残念に思います。

本人は「新卒の3割は3年以内に会社を辞めると言われているが、その例に漏れず辞めてしまった。」と話していました。

もちろん引きとめたかったのですが、

「3ヶ月働いてみて、自分は建築が好きじゃないことにはっきりと気付いた。他にやりたいことがあるからそれにチャレンジしてみたい。」

この言葉を聞いて、引きとめても無駄だと思いました。



僕自身、3ヶ月働いてみて、建築設計の仕事は建築が好きでないと割に合わないと感じていたからです。

この仕事で得られる、ひとつのプロジェクトが終わった時の達成感、自分が設計した建物が竣工したときの感動は何ものにも代えがたいです。

しかし、その気持ちを味わうため、残業や休日出勤、時には徹夜が伴う仕事でもあります。

報酬に対しての労働時間が長いので、時間給(報酬÷労働時間)はかなり低くなりがちです。

好きでないと割に合わないと言った理由はここにあります。

時間給の良い仕事を探せば他にいくらでもあります。

それでもこの仕事を続けられるのは、建築が好きだからではないでしょうか。

(一度就職してしまったから、とか他にやりたいことも特にないから、という理由でこの仕事を続けてる人もいるでしょうが。)

そういう意味では他にやりたいことがあるから辞める、というのは良い理由だったと思います。

好きでない仕事をいやいや続けるよりも、やりたいと思った仕事を本気でやってほしいと思います。


スポンサーサイト



[ 2014/06/28 14:49 ] 日常 | TB(0) | CM(0)

数字を覚えること

数字を覚えることが得意な人っていますよね。

電話番号、誕生日、ナンバープレートなどなど…

得意だから理系、苦手だから文系、というように進路を決める人もいます。

それもあながち間違ってないかも。と思ったときの話です。



最近、事務所にお客様が打ち合わせに来ることが増えています。

普段仕事をしているところとは、パーテーションで区切られただけのスペースで打ち合わせが行われます。

当然、会話は筒抜けなので、余裕があるときは仕事そっちのけで聞き耳を立てています。

それで気付いたのですが、やはり先輩の話には説得力があるのです。

もちろん今までの経験をもとに話していることも理由の一つです。

しかし、決定的な理由は具体的な数字を出していることでした。

わかりやすい例をあげると

「RC造の一坪の単価は約100万円ですが、木造だと一坪で約50万円になります。」

こんな感じです。

僕の知識で同じ話をするとすれば

「RC造は一坪の単価が高いですが、木造だとだいぶ安いですよ。」

こうなります。

どちらが説得力があるかは聞くまでもありません。

このように具体的な数字を出して会話をすることは自分の発言に説得力を持たせるうえで有効な方法です。

特に理系の職種には覚えるべき数字が山のようにあります。

その数字を多く覚えていることで、打ち合わせだけでなく日常の業務の効率もあがります。



このことに気づいて以来、本を読むときにも必ず数字を意識して読むようにしています。

やはり一度で覚えることはできませんが、意識せずに読んでいた時よりは頭に残っているように思います。

それでも、なかなか数字を覚えることができないときは、「覚えるのが得意な人はいいよな~。やっぱ理系に向いてるんじゃないかな。」とうらやましく思っています。


[ 2014/06/21 00:06 ] 考えたこと | TB(0) | CM(0)

横浜市のマンションで施工ミス

久々の更新です。

施工ミスでマンションが傾いてしまい、住民が立ち退きを余儀なくされているという、他人ごとではないニュースがありました。

住友不動産は7日、2003年に販売した横浜市のマンションで、建物を支えるくいの長さが足りない施工ミスが見つかったと発表した。

建物がわずかに傾いており、同社は「安全性が担保できない」として住民に仮住居への転居を呼び掛けている。

同社などによると、ミスがあったのは、準大手ゼネコンの熊谷組が施工した横浜市西区のマンション。

全5棟のうち数十戸が入る1棟で、くい数本の長さが不足し「支持層」と呼ばれる強固な地盤に達していなかった。

この棟では、通路の手すりがずれるトラブルが多発。

熊谷組は「東日本大震災が原因」としていたが、管理組合からの要請を受けた住友不動産が調査、ミスが判明した。

建築基準法施行令は一定以上の規模の建築物をくいで支える場合、先端は支持層に達しなければならないと定めている。

住友不動産は「施工不良が原因だが、売り主として全責任を持って対応したい」とのコメントを出し、補修や建て替えといった対応策を検討している。

熊谷組の広報担当者は「施工業者としての責任を痛感している」と話した。

日本経済新聞より引用


このニュースの要点は、一部の杭が支持層まで届いておらず建築物が不動沈下を起こしているので、安全性が担保できないという点です。

なにやら専門用語が出てきましたが、順番に説明していきたいと思います。



まず、建築物の杭基礎には大きく分けて「摩擦杭」と「支持杭」の2種類があります。

杭の種類


摩擦杭とは、杭と周囲の地面との摩擦によって建築物を支持する杭のことです。

摩擦力を大きくするために一定間隔で節が設けられているタイプもあります。

この場合、杭の先端が支持層に届いていなくても建築物を支持することができます。

建築物の杭基礎のことを全く知らない人が「杭」と聞いてイメージするのはこちらのタイプでしょう。

支持杭とは、支持層まで杭を打ち込み、支持層の硬さによって建築物を支持する杭のことです。

この場合、支持層(硬い地盤)で建築物の重さを支えるよう設計されているので、杭の先端が支持層に届いていないと軟弱層(柔らかい地盤)では重さを支えることができず、建物が沈んでしまいます。

ここで、今回のケースに当てはめて考えてみましょう。

問題があったマンションは支持杭を採用しており、一部の杭が支持層に届いていないという施工ミスがありました。

するとその杭が支えるはずだった範囲は重みに耐えられずに沈んでしまい、マンションが傾いてしまいます。

このように建物が不均一に沈むことを不動沈下といいます。

不動沈下が起きると建物が傾き、その影響であちこちに不具合が生じます。

今回の場合、その不具合が通路の手すり部分に表れたと考えられます。



熊谷組に過失があるのか想定外の事故なのかは別として、このニュースは建築業界の人間にとって自分の仕事の責任の重さを再認識するきっかけになると思います。

建築業界で働いていると生涯で数え切れないほどの建物に関わります。

今関わっている建物もその中のひとつに過ぎないかもしれません。

しかし、施主にとっては生涯で何度も買うことはできない大きな買い物だということを忘れてはいけないと思います。

(施主が法人ならそうでもないかもしれませんが、そんな無粋なことは考えないでください。)

日々の業務に追われ、納期が迫ってくれば、少しは妥協して効率を一番に考えたくもなります。

そんな時こそ、施主にとっては一カ所たりとも妥協したくない大切な物の設計を任されていることを思い出さなければならないと思います。


[ 2014/06/15 01:21 ] 時事問題 | TB(0) | CM(0)

タッチタイピングのすゝめ

みなさんはタッチタイピングできますか?

そう、キーボードを見ないで文字を入力することです。

これができると文字入力の速度が飛躍的に早くなります。

その他にも、タイプミスに気付きやすくなる、目が疲れにくくなる、などのメリットがあります。

パソコンを使う頻度が高い人ほど習得は必須になると思います。

そんなこと、頭ではわかっていてもなかなか練習する気にならないのが普通ではないでしょうか。

それもそのはず、タッチタイピングを習得するまでの間は「まずはホームポジションに指を置いて、このキーを打つときは人差し指で…」というふうに意識してキーの場所と担当する指を覚える必要があります。

一般的にはこの状態での練習を1日30分、2~3週間は続けなければタッチタイピングは身に付かないと言われています。

この2~3週間を「ジレンマの期間」と呼んでいます。

(※僕が勝手に名付けただけです。得意気に人に話すと恥かきますよ。^^;)

なぜ「ジレンマの期間」かというと、タッチタイピングを習得するまでの間は、今までのやり方で入力したほうが早いからです。

「練習中は素早く入力できない、今までのやり方で入力したほうが早い、でもそうすればタッチタイピングは習得できない…」

こんな心理状態になる、タッチタイピングの習得と目先の入力の速さの間でジレンマを感じる期間なのです。



前置きが長くなりましたが、今回のテーマはこの「ジレンマの期間」を少しでも楽しく過ごすためのアドバイスです。

具体的なタッチタイピングの手法については、詳しく説明してくれるサイトが山のようにあるので割愛します。

さて、タッチタイピングの手法を覚えた後はひたすら練習あるのみです。

指が無意識に動くようになるまで、なんでもいいので文字を入力するだけです。

かといってワードを開いて、あいうえおかきくけこさしすせそ…なんて練習するのははっきり言って苦痛だと思います。

この練習を続けて習得できる人はそうとう根性のある人でしょう。

僕には無理でした。笑

ではどうやって「ジレンマの期間」を抜け出したのかというと、タイピングゲームです。

タイピングゲームとは、文字を入力することでシナリオを進めていくゲームのことです。

キーボードしか使わないゲームなので、タッチタイピングの練習には最適なのです。

僕が「ジレンマの期間」にいたときにお世話になったサイトを紹介します。

寿司打

夜の森

このふたつのゲームをやっているうちに、「ジレンマの期間」を抜け出していました。

夜の森はいきなりはじめるには難易度が高いので、まずは寿司打のお手軽コースで収支がプラスになってから挑戦することをおすすめします。



今の時代、パソコンがどんな仕事にも不可欠な存在になってきています。

建築の図面だってそうです。

昔は製図版と平行定規を使って作図していたそうですが、今はCADで作図します。

文字入力が早いことは、どんなソフトを使うにしても有効です。

場合によっては仕事の効率が2倍以上になるので、ぜひタッチタイピングの習得をおすすめします。


[ 2014/05/17 18:33 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

構造設計とは?

僕の仕事である構造設計について。

「何の仕事してるの?」と聞かれたとき、なんと答えるか困っています。

「構造設計だよ。」と答えても建築について知らない人には理解してもらえないからです。

仕方ないので「建築の設計だよ。」と答えることにしています。(普通の人は意匠設計を想像してしまうと思うのですが。)

ときには「建築の設計。姉歯建築士がやってたような仕事だよ。」と答えるときもあります。

姉歯建築士というとマイナスイメージをもたれてしまいそうですが、仕事の内容を比較的簡単に伝えることができます。

とにかく、専門性が高い職種なため、伝えるのに苦労しています。



少しでも多くの人に理解してもらえるよう、構造設計という仕事について簡単に書きたいと思います。

まず、建築の設計には大きく分けて意匠設計、構造設計、設備設計の3種類があります。

この3者が協力しながらひとつの建築物を設計します。

意匠がデザインを、構造が安全性を、設備が快適性を、それぞれ担当しています。(小規模な一戸建て住宅などでは一人で設計してしまうこともありますが。)



では、構造が安全性を担当しているとはどういうことでしょうか。

具体的には、建物が地震や風によって壊れないように、柱や梁の太さ、壁の厚さを設計することです。

しかし、柱や梁を太く、壁を厚くすれば建物が強くなるのは誰にでもわかることです。

では、なぜ構造設計が職業として存在するのでしょうか?

それはお金が絡んでくるからです。

前の記事で少し触れた、「安全性と経済性を天秤にかける」という話になります。

柱や梁を太くすれば、建物が強くなるかわりに、工費も高くなります。

柱や梁を細くすれば、建物が弱くなるかわりに、工費も安くなります。

安全性と経済性は反比例の関係にあるので、どちらを優先するかは個々の物件によって異なります。

しかし、「工費が高くなってもいいからとびきり安全な建物を設計してくれ!」という人はほとんどいません。

多くの人は、「安全性は法律で決まっている最低限のレベルでいいから、なんとか経済的な設計をしてほしい。」と言います。

その要望に応えるため、法律で決まっている最低限の安全性を損なわない範囲で、できるだけ強い建物を設計することになります。

そういう意味では、構造設計は建物の無駄を省くためにあるのかもしれません。

その無駄の省き方に様々な方法があり、設計者のセンスや経験によって異なってくるのが面白いところでもあるのですが。
[ 2014/05/10 14:29 ] 建築 | TB(0) | CM(0)
プロフィール

構造屋見習い

Author:構造屋見習い
まだ駆け出しで構造屋を名乗るのはおこがましい。
知識、技術は未熟だがやる気だけはある。

毎日の起床時間
早起き生活
Powered by 早起き生活
平日は6時起床が目標。
サイトマップ
最新コメント
最新トラックバック